石井式オーディオルームの設計コンセプトは、「部屋の中の音が美しく響くようにする調音」に主点を置いている。
最初に「石井式と従来方式の相違点」、続いて「石井式の具体的構成」、最後に「遮音」について述べる。
[1]従来方式と石井式の相違点
図1に従来方式の部屋に於ける反射波の状況を示す。 低音と中音と高音を異なった材料で吸音する構成になっており、低音は板壁を適当に振動させて吸音し、中音は穴開き板で構成したヘルムホルツ共鳴器で吸音し、高音は薄いグラスファイバーやカー
テンで吸音する様になっている。
これらの三種の吸音体をうまく組み合わせて残響時間の周波数特性が一定になるように設計するには、相当の手間と日数を必要とし、加えて結果も期待したほど良くはならなかった。 低音吸音部に当たった音は低音が吸音されて低音なしで、中音吸音部に当たった音は中音無しで、高音吸音部に当たった音は高音無しでリスナーに到達する。これらの音は時間的にも空間的にもバラバラにリスナーの耳に到達するので合成された反射音は原音とは大きく異なってしまうのが、主たる原因である。
これに反して石井式では図2のように、どの反射波も固い壁から反射されてくるので、原音そのままの成分でリスナーの耳に
到達し、素直な反射音を感じさせてくれる。 一方、吸音部に当たった音は低音から高音まで十分に吸音されるので、この吸音部面積によってルーム全体の響き具合が調節できる。
<続く> |